この記事では五十里ダムの、
- ダムの場所
- ダムカード情報
- ダムのフォトギャラリー
- ダムのざっくり解説
- ダムのスペック
を紹介しています。
五十里ダム(栃木県日光市)
堤高 | 112m |
堤頂長 | 267m |
ダムの目的 | F:洪水調節 N:流水の正常な機能の維持 P:発電 |
ダムカード | あり |
こんにちは、今回は五十里ダム(いかりダム)の紹介をしていきます。
五十里ダムは栃木県日光市にある、国土交通省が管理している重力式コンクリートダム。鬼怒川上流ダム群のうちの一基のダムで、1956年利根川水系男鹿川に建設されました。
場所は、栃木県日光市です。
参照:Google マップ
DamMaps:五十里ダム【0559】
五十里ダムのダムカード
栃木県のダムカード配布場所は、こちらからどうぞ!
五十里ダムのフォトギャラリー
五十里ダムの下流側を見た様子です。改修前の堤体には、導水管のようなものが通ってないですね。
こちらは、五十里ダムの上流側。右岸の方にあるは、2020年(令和2年)に設置された選択取水設備とのことです。コンクリートが、少し綺麗になっているところですね。
こちらは、選択取水設備を設置している工事中の様子です。
右岸から見たの天端の様子です。
こちらは、左岸から見たの天端の様子です。
こちらは、天端から見た下流側の様子ですね。以前に訪れたときに、放流している様子を見ることができました。
ダム湖はこんな感じで、名前は「五十里湖」です。
資料館もあって、見学もできます。
五十里ダムをざっくり解説
- 1956年 五十里ダム完成
- 2003年 新コンジットゲートの設置
- 2005年 導水トンネルで、お隣の川治ダムとつながる
- 2020年 選択取水設備を設置
本来は、ロックフィルダムで建設予定だった?
最初は今の海尻橋付近に、岩を積み上げたロックフィルダムで建設する予定になっていました。 しかし、戦争になってしまい建設は中断になりました。
戦争終結後、再度建設することになり調査をしましたが、海尻橋付近は多額の費用がかかってしまうことが分かりました。
再び調査をして、岩盤が強くて安定している、今の五十里ダムの場所に建設することになります。そしてダムの形式も、ロックフィルダムから重力式コンクリートダムに変更になりました。
1956年、鬼怒川上流ダム群の1番目の大ダムとして完成。
完成当時は、日本一の高さだった五十里ダム!
五十里ダムは建設当時、日本一の高さでしたが、約3ヶ月で静岡県の佐久間ダムに高さを抜かれてしまいました。
高さを抜かれたとしても、当時の最高の技術者と最新の技術で建設された、素晴らしいダムです。
もちろん佐久間ダムも素晴らしく、両方のダムはどちらも素晴らしいです。
改良工事が行われた、五十里ダム
2003年には、五十里ダムの放流設備を増設する工事が行われました。
放流した時に、下流域の水位が急激に上がってしまう問題があったからです。
ダム湖の水位の調整が難しかったので、コンジットゲートと呼ばれる放流設備を、新しく2本設置することになりました。
今までの旧コンジットゲートは、毎秒100トンで「全開と全閉」の操作しかできませんでした。
新しく設置されたコンジットゲートは、毎秒500トンになって放流能力も上がり、今までよりも柔軟な操作が可能になったそうです。
このときに、およそ45年ぶりに掘り出されたコンクリートは、全く劣化していなかったそうです。当時の建設工事の技術は、素晴らしいものでした。
そして2005年に五十里ダムは、お隣の川治ダムと約1kmの導水トンネルでつなげて、水を有効利用するために、お互いの水をやり取りできるようにしました。
流入量は川治ダムより五十里ダムの方が多く、貯水量は五十里ダムより川治ダムの方が多くなっています。水が少ない方に、水を送るといった感じですね。
さらに2020年には、選択取水設備を設置しました。この設備は、水質の奇麗なところを選んで取水できる設備です。
もともとの取水設備は、水深の深いところにあったのですが、放流するときに濁った水を放流してしまう問題がありました。これを改善するために、設置されたのが選択取水設備です。
そして、選択取水設備で取水した水を利用するために、利水放流を利用した水力発電所を設置しました。電力を有効利用したり、河川の環境にも配慮しているダムです。
かつては、天然の五十里湖もあった?
かつては、江戸時代1683年にも天然の五十里湖が存在していました。現在の五十里湖の西側にある葛老山と呼ばれる山が崩壊して、天然の五十里湖を造りました。
天然の五十里湖ができてから40年後の1723年、大雨の襲来により天然の湖は決壊して、下流域にある数々の村を飲み込んでしまい大打撃を受けました。
そして時を経て、1956年現在の五十里ダム完成に至りました。
最後に
今回は五十里ダムの紹介をしました。
国道121号線沿いにあり、鬼怒川温泉方面からも福島県方面からもアクセスしやすいダムです。近くには「川治ダム」「小網ダム」や、観光施設もあり観光地としても楽しめる人気のエリアになっていますね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参照:Google マップ
ダム関連記事
近くのダム
※栗山ダムまでの道は、ダムの手前のトンネル付近から現在通行止めとのことなので注意してください
五十里ダムのスペック
ダム名 | 五十里ダム |
型式 | 重力式コンクリートダム |
所在地 | 栃木県日光市 |
河川名 | 利根川水系男鹿川 |
ダムの目的 | F:洪水調節 N:流水の正常な機能の維持 P:発電 |
堤高 | 112m |
堤頂長 | 267m |
提体積 | 468,000㎥ |
流域面積 | 271.2k㎡ |
湛水面積 | 310ha(3.10k㎡) |
総貯水量 | 55,000,000㎥ |
有効貯水量 | 46,000,000㎥ |
ダム管理者 | 国土交通省 |
本体施工者 | 鹿島建設 |
着手年 | 1941年 |
竣工年 | 1956年 |
ダム湖名 | 五十里湖(いかりこ) |
ダムカード | あり |